やっとここまで来ました(笑) ・・・・ってことで、今回は「切り」です。
え〜っと、今回の作業での重要なポイントはコレ ↓
「蕎麦打ちは料理ぢゃないぞ!、 スポーツだ!
・・・・・・・・・・・・・・特にゴルフ(笑)」
「なんのこっちゃ?」っと言う事でしょうが(笑)、すぐにネタバレしますから(爆)
前回までで、一生懸命練って、のして、畳んだ生地を、最後の「切り」で ダメダメの蕎麦にしてしまっている店もかなりありますので ・・・うちは大丈夫です(汗)
全体の工程の中で見ればそれほど難しい部門ではありません。
しかし、この「切り」が一人前に出来ないと、何時まで経っても、まともな蕎麦を口にする事は出来ません。 この蕎麦打ちが完了したら、次は「茹で」「洗い」「盛り付け」などがご紹介できると思うのですが、 それと共に道具についても述べていかないと片手落ちのそしりを・・・・・・・・・・ですね!!!
切りの絵ズラは俯瞰からの画像があれば良かったと思っていますが、 なにせ仕事しながらアングルを決めて、シャッターを押すという無謀な作業なので(笑)、 残念ながら三脚を一番延ばしたところが精一杯でした。
これ以上の画像は、閲覧者の方々の「心眼」でお願いしますね^m^
まずは一番上の画像 ↑ 右手に「包丁」を持ち(右利きなので)、左手で「こま板」を押さえています。 切るための基本はこの2つです(当たり前ですが) 右手の仕事は後回しにして、最初に左手の仕事からちょこっと・・・・・・・
この「こま板」は基本的に上から押さえるだけ、しかもたいした力で押さえていません。
・・・・・じゃぁ、どのくらいの力で押さえているのか?と言いますと
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・説明できません(爆)
力加減は、もはや私の稚拙な日本語の表現力の範疇を超えてしまっています(笑)
まぁ、イメージとしては
「腕から手首より先をとっぱずして、 こま板の上に置いた重量分くらい」 って所でしょうか・・・・(汗)
・・・・・これではわからないですよねぇ(笑)
でも、ホントにそんな感じ!!!!
大事なのは麺帯の向きに大して直角を保つと言う事のみです。
蕎麦を打ったことのない方(ここをご覧になっている方の殆ど)は、 このこま板を左手でずらしていると思っているのでは無いでしょうか? しかし、実際は本当にホールドしているだけで、 蕎麦を切る分だけずらすのは、右手が現在持っている包丁の仕事なのです。
切り方にも細かく言えば、何種類かの方法があるのですが、大別すると2種類になると思います。
一つは、「包丁を真っ直ぐにおろして、 刃は麺切り板に接点を持った後に包丁の上側をこじって、 こま板を左にずらす方法。
そしてもう一つは、包丁を麺帯に入れる時に真っ直ぐいれず (麺切り板に対して直角ではなく)角度を持って入れ(25度〜27度くらい)、 刃が麺切り板に接点を持った後に包丁の上側をこじって 麺切り板に対し包丁を直角にして、こま板を左にずらす方法です。
この辺は実際に現場を見ていただくと「なぁるほどね!!!」って感じで、 一目瞭然なのですが、言葉にすると、とても難しくなってしまいますね!!!
左手の指の形もひとそれぞれですが、画像に写っているような形が、ごく一般的です。
親指と人差し指がこま板の立っている部分に沿っていて、これがこま板が歪むのを防いでいます。 小指が板の後ろ側が暴れないように、板の水平を保つためのセンサー役を担っています。 そして中指と薬指が邪魔にならないように小さく縮こまっています(笑)←ウソです ホントは中指と薬指が板を押す圧を調製しているのですがね!!!
さて左手の仕事はこのくらいにして、今度は包丁を持っている右手です。
もう一度上の画像を見ると、人差し指が真っ直ぐに伸びていて、 残りの4本の指が包丁を握っているように見えますね!
しかし ↑ この説明はちょっと間違っています。
まず、包丁は握ってしまってはいけません。 握ってしまうと自由度が極端に低くなってしまって、包丁が舞うように動いてくれません。 ですので握るのではなく、あくまで「ホールド(保持)」しているのみです。
もう一つ違っているのは「残りの4本の指が」というところです。 職人全部がそうなのかはわかりませんが、少なくとも私の周りで包丁に冴えを見せる職人は 全て4本の指で包丁を持ったりはしません。
では何処でホールドしているかというと「親指の付け根付近、中指、薬指」の3点です。 これに人差し指が包丁の角度を決める役目をして「切り」が成立しているのです。
そう言われてからもう一度画像を見ると、なんとなくそんな感じがしません?
・・・さて、もう一つとても重要な事を・・・・・・・・
下の2枚の画像をご覧になってください ↓
なんどもセルフタイマーを押して連写してみたのですが、 一番わかりやすそうだったのは、この2枚の画像のみでした(笑)
・・・っで上の画像が包丁を手前引いたところから麺帯に刃先が入っていくところです。 ですので一番手前に引いたときは、上の画像よりも、もう少し手前になると思います。 そして下の画像が包丁を入れ終わった状態ですね。
この後、包丁を刃先から持ち上げて、また一番引いた状態に・・・コレを繰り返していく訳です。 真上からドンと包丁をおろしても蕎麦は切れますが、切断面が荒れます。 切り口が直角でしかも切断面が滑らかならば、茹でた蕎麦がつるつるに仕上がります。
ですので包丁(特に和包丁)は、押す又は引くという動作をして切る訳です。 お寿司屋さんでも、ネタを切る時に柳刃で大きく引いて切りますよね。 蕎麦の場合は「押し」ですが、切断面を鋭利にするための方法で、考えは一緒です。
包丁を麺帯に入れるときには包丁の重さで切るイメージで、 殆ど力を入れませんが、だからと言って全然入れてないわけでもないのです。
何処で入れるのかというと「切っ先が麺帯に触れた瞬間」って感じですかねぇ? 余り良くわかってはいないのですが(笑)
ホントに一瞬のみ指に力が入っているような気がします。 力を入れるというよりは「インパクト」って感じです。
これは練りや打ち込みにも共通していますが、膂力(りょりょく)で仕事をするのではなく インパクトで仕事をするのが正しい考え方だと思っています。 このインパクトの入れ方を比喩してみると、 ウッドを持ってロングを思いっきりぶっ飛ばそうとしているプロゴルファーって感じです(笑) ↑しかも冷静にね!
なので力の入れ方や加減はこんなイメージでお願いしたいと ↓
「蕎麦打ちは料理ぢゃないぞ!、スポーツだ! ・・・・・・・・・・・・・・特にゴルフ(笑)」
切り終わった状態♪
包丁が生地に無理をかけない状態で切れている場合は 切り終わった蕎麦が暴れていないのですが、 調子が悪い時には・・・_| ̄|◯
↑画像の状態はまぁまぁの方かな(^_^)
息子がスマホで動画を撮ってくれたので、アップしておきます。
http://youtu.be/jWQ0FqbhzEg |