手打ち蕎麦 ちぇしあ
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前回は臍だしで終っていましたが、その後の画像は本日改めて撮りましたので、
生地の大きさも違います。

 まぁ、気付かなかった事にしておいて下さい(笑)

臍だしをして三角錐の形にした生地をひっくり返して、
三角錐の尖ったところを下にして上から押しつぶし、
また掌を使ってまあるい生地を作りました(これ前回まで)

それがこの画像 ↓ です。





 この生地を鉢から打ち台の上に移します。

 私が普段打っている打ち台の大きさは、小さい方が940×1330ミリ、
大きい方が940×1750ミリです。

打つ生地の大きさや延し方によって台を使い分けています。
普通の蕎麦屋ならもっと大きな台で打っていると思いますが・・・

 ちなみにご家庭で打つ場合はリビングルームのテーブルなどで十分です。
家族分として5〜6人前の蕎麦を打つのであれば蕎麦粉+つなぎ粉で600グラムくらいですから、
丸延しですと直径60センチくらいになると思います(たぶんね)

 ですので最低60センチ四方の大きさが確保できればOKな訳です。

 今回は大きい方の打ち台に生地を移しました。

台の上に置く前に打ち台に「打ち粉」を打ちます。
そして生地の上にも「打ち粉」を・・・・・

さて、ここからが新しい工程の「地延し」です。
要は、棒を使って伸す前の工程で、ある程度掌で大きくしておけば良いわけです。






・・・っで、どんな風にやるのかというと・・・・↓・・・・こんな風です(爆)


↑ ちなみに下側が右手、上が左手です。レフティの方は反対ですね!!!


 掌で生地を平らにする作業は、慣れないと意外に難しいらしいのですが
(蕎麦打ち体験のお客様談)、もともと粉もの専門に料理をしてきた私には
難しく感じた事が無いので、難しさは余り良くわかりません。

 この辺の作業もひっくるめて全ての作業について、言えることなのですが、
現在自分がやろうとしている作業が、何のためにするのか?、
結果としてどのよう なものにしたいのか?と言う事が最も重要な部分で、
本に書いてあったり、ここでやっている方法はあくまで一例にしか過ぎない
と言う事を認識しておいてくだ さい。
 確かに過去から積み重ねられてきた技法は無駄を省いて、
効率良く作業が出来る方法が選択されています。

蕎麦屋をやるつもりなら、このラインから外れるのは近道にはなりませんが、
一般性があるかというと、実はそうでもないと考えています。

 趣味で打ってみようと思っている人に職人と同じ技法が出来るのかというと、
かなり熟練しないと無理なものも多々含まれています。


 なので、蕎麦打ちの工程や方法で一番重要と考えていただきたいのは

「蕎麦打ちは結果オーライである」と言う事です(笑)





・・・っで、とにかく「まあるく、平らに」と、なんども念じながら地延しを進めていきます。

 そうそう、
「結果オーライ」・・・かなり重要ですが(笑)、コレと同じくらい大事なのが
「念じる」
または「祈る」事です(爆)

 こうやって言葉で書いてしまうと、ホントに冗談にしかなりませんが、
料理の基本は準備とビジョンだと思っています。

この話については、また別の機会にじっくりと書きたいと思っていますので割愛しますが、
とにかくいましている作業で、コレがこうなる、こうしたいということが非常に重要なのです。

 なのでここでは「タイラニナレー」&「ウスクナレー」と心の中で念じつつ
作業をしていくことをお勧めします。







 言っておきますが、あくまで心の中で念じてくださいね!
声に出しちゃうと
「ヘンナヒト」になっちゃいますから(爆)

勿論私はいつでも念じています(笑)


 さて、話は元に戻りますが、掌で生地を押す行為は思いの外均等にするのが難しいようです。
そこで押すエリアを決めて、その部分だけ平らにしたら生地を回転させて
また同じ作業を繰り返すというのが一番均一化された生地を仕上げていく方法のようです。

 つまり、作業を細分化→単純化して同じ作業をなんども繰り返す=均一な作業が出来る・・・っと言う事です。
要は機械と同じような作業を考えればよい訳です。





 そんな訳で、やっと、地延しが完了しました。

さて、地延しの終った生地を、今度は延し棒を使ってどんどん大きくしていきますが、
この作業での重要なポイントはコレ ↓ 

 
「いきなりはダメよ!・・・イヤン!!!」


コレをしっかりと頭に叩き込んでから作業に入りましょう(笑)



 さて、これからのしていく大きさの目標(ホントは薄さの目標ですが)は
直径が棒の長さになるまでです。
生地の厚みとしては、マッチ棒の軸よりちょい細め位が目標です!!!

 他の職人さんはどのようにしているのかわかりませんが、
私は生地の大きさ(重さ)と棒の長さの相関関係をしっかりと決めています。

 つまり○○グラムの粉を練った玉を延す場合はこの長さの延し棒を使うという風にね・・・・・・・
なので色々な長さの延し棒があります(笑)

 まぁ、結果的には2〜3本くらいの使い易いものばかりを使うことになってしまうのですがね(笑)

 さてそれでは本題に入って、のしていきましょう。




 まず最初は ↑ こんな感じで、優しくのしていきます。
全体を一度に平らにしようとしても・・・・・・・・・・・・絶対に無理です!

私の場合は一度に延し棒を転がす範囲は、ちょうど10センチくらいです。
しかも画像を良く見ていただければお分かりになると思いますが、一度に力をかけて生地を凹ますこと無いように、細心の注意を払って(笑)、作業します。

生地をのす時のコツは、 
「女性を口説く」 つもりでやる事です(笑)

 私の数少ない経験から言っても(笑)、いきなり直球投げてもダメです。
ぼちぼちと外堀を埋めて、最後にストレートど真ん中ってのが一番だと・・・・・

 つまり、






 
「いきなり強引はダメよ!、マメにお願いします」






・・・・・・・・・・・ってことです!
え〜冒頭で説明した「今日の作業での重要なポイントはコレ」ってのとちょいと違っちゃいましたが(笑)



 そんな訳で生地の向きをこまめに変えながら(回転させながら)、ぼちぼちとのばしていきます。







 そうしている内に、だんだん大きくなってきます ↑ ・・・こんな風にね!

 その日の気分で、大きさもまちまちかも知れませんが(あまり考えた事が無いので)、
今日は直径が50センチ強のところでこの作業は終わりとしました。 ↓





 さて次は、この作業でのばした生地を棒に
きっちりと巻きつけていきます。 ↓

この時「きっちり」というところが重要です。
余りにもゆるく巻くと、次の工程で生地が必ず切れます!!!




・・・っで、延し棒に巻きつけた生地を自分に一番近い所に持ってきて3回転転がします
・・・パタンパタンパタンって音がします〜

転がす時には掌を生地にあてて転がします、棒を回して転がすのはご法度です。
↑ みたいな感じで転がしてください!!!

でもただ転がすだけでは生地は余り大きくなりません。
生地を上から掌にやや力をかけて押しながら転がす・・・文章にすると難しいですナァ!!!
力のベクトルは前方30°〜45°くらいです!!!

3回転させたら生地を持ち上げずにズズ〜っと引きずって、
最初の場所(テーブル又は打ち台の端っこ)まで持ってきます。
そしてまた3回転パタン・パタン・パタンと・・・・

この動作を3回繰り返します。
そして3回目は転がし終わった位置で生地から一旦手を離します。
そして棒の両端を持って右斜め45°に生地を傾けて広げます。

そしてまた、手前からきっちりと巻きつけます。
この動作を数セット繰り返したのがコレ ↓



 このまま規定の大きさまで延ばせば生地は完成するのですが、
うちの店ではもう一つのテクニックを導入しています(少しだけ自慢・・・笑)

 それは 
「打ち込み」 という技法です!!!
まぁ、ちょっと自慢した割にはたいしたものではありませんが(笑)、
この後、延し切りが終って、いよいよ茹でて食べた時、
打ち込みをしたものと延しのみで終えたものの口当たりは
気のせい+αくらい違ってきます・・・・・α大事です(^_^)

 要は、しっかりと延し棒に巻きつけた生地を両手で持ち上げ、
打ち台に叩きつけると言う作業です。
この3枚の画像 ↓ 

・・・別に 「生活に不満がある」 とか 「夫婦喧嘩直後」
 だとかではありません(笑)


通常の作業ですので誤解しないよーに(爆)








 日本語では通常「蕎麦を打つ」と言い「蕎麦をのす」とは言いませんよね!
しかし、現在の殆どの手打ち蕎麦を出す店では「打つ」という作業はしていません
・・・・・・たぶんですが(汗)

 元来蕎麦を手打ちする場合には、この打ち込みの技法は必ずしていた工程だったはずです。
 しかし江戸前蕎麦を中心に、一度に大量の蕎麦を打つためには馴染まない技法なので、
特に戦後に確定していった現代技法からは排除されてしまったようですね!

昔ながらの方法を代々受け継いでやっている地方の蕎麦屋では(特に信州の)、
この打ち込みを未だにしっかりとしている事を見ても、それがわかりますね!!!




 能書きを言っている内にどんどん生地は大きくなって、
もう少しで規定(目標)の大きさになりますね!!!

 次回は畳み、そして切りです。
もうすぐ食べることが出来ますよ・・・店まで来ればね(^^)v

さて、のしが終わったら次は「畳み」でございます。
「それなら我が家にもあるぞ」なんて声があちこちから
・・・・それは「畳」、和室に敷いてあるアレですね(^。^)y-.。o○



 前頁のアップで一応完成した生地を包丁で切ることが出来る大きさまで
小さく畳んでいこうというのが本日の趣旨です。

 実際にやっている時間は30秒程度(だと思う?)なのですが、
小さな生地なら問題はありませんが、生地が大きくなってくるとちゃんとした方法で畳まないと、
せっかく苦労してのした生地が「千切れる・壊れる・終る」
ってなことになってしまいますからね!!!


 さて、今日の作業での重要なポイントはコレ ↓ 

 
「あくまでも淑やかに・・・オカマなワ・タ・シ」


コレをしっかりと頭に叩き込んでから作業に入りましょう(笑)






 まずは昨日までの作業で大きくのした生地を半分に畳みます。
この時、畳む向きは真円の場合は問題ありませんが(何処から畳んでも、同じ形だもんね!)、
やや楕円になった時などは一旦立ち止まって考えましょう!

 直径の短い方を真ん中と考えて畳むと長めの半円が出来ますし
、直径の長い方を真ん中と考えると逆になります。

切る時の生地の大きさを考えて畳まなければいけません。
どっちがイイのかは・・・・・・・・・・・・・・・自分で決めてください(爆)






↑ 半分に畳んだ状態です。

 あっ、勿論打ち粉をしっかりと打って、
その後生地に密着するように撫で付けてありますからね!!!

 この半分に畳んだ生地を更に、もう半分畳みます。

畳み方は最初も ↓ こんな感じでやりましょう!





 のしが終った生地はかなり薄くなっています。
指先などで乱暴に扱うと、あっという間に切れて(破れて)しまいます。

 そこで、生地の端を持つ時も接触面積がなるたけ大きくなるように
「面で持つ」ように心がけます。
しかも端をホールドしたら、決して上に持ち上げてはいけません。
生地の重量がホールドした小さな接触面のみに集まってしまいますから、
やはり生地を破ってしまう原因となります。

 それでは、どのようにすれば良いのかというと、
所謂「和服を畳む調子」でやっていただければ完璧かと・・・・・・・・・・

 和服を畳んだ事が無い方のために、もう少しわかり易く言うと





「あくまでも淑やかに・オカマなワ・タ・シ」

↑ コレです(笑)

 指先に神経を行き渡らせて、親指を除いた4本の指全てをしっかりと揃えて、
右手と左手の面どおしで生地を挟む。
この時に必ず「オカマな気分」になっていただいて、
小指は微妙に立てていただいた方が上手くいくような気がします。
 

上の画像でも、私の右手の小指・・・・・微妙に立っているような気が(笑)



 あっ、顔とかはいつも通り・・・普通でいいですから!(爆)



1/4まで畳んだ状態がコレ ↑

その後、また打ち粉と打って更に半分に畳めば、本日の儀式は終了です。





↑ 「畳み」が完成した状態です。


 後は麺切り台に移して、切るだけですね!
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